昔、矯正治療を受けたときに抜歯をしたという方も多いのではないでしょうか。「矯正治療=必ず抜歯をするもの」というイメージをお持ちの方も少なくありませんが、これは、抜歯以外に歯並びを整える方法がない場合の話です。
歯を抜くことを前提に小児矯正に取り組む歯科医院もありますが、最新の小児矯正治療では、歯を抜かなくても歯並びを整えることができるケースが増えてきています。
今回は、歯を抜かずに歯並びを整える「非抜歯矯正」について解説していきましょう。
非抜歯矯正って、どうやって歯並びを整えるの?
一般的に、小児矯正でも歯並びを整えるための手段として「抜歯」が選択されることが多々あります。これは多くの場合、犬歯の後ろにある第一小臼歯を抜いてスペースを設けることによって歯を動かす方法です。
これに対して非抜歯矯正は、文字どおり歯を抜かずに歯並びを整える矯正治療です。前歯の歯並びが乱れているのは、実は奥歯の生え方に原因があることが多々あります。奥歯が生えてくる時期に顎の骨が成長していないと真っ直ぐに生えることができず、隣の歯を少しずつ押し出していくことになり、その結果、もっとも大きな影響を受けるのが前歯というわけです。
小児の非抜歯矯正は、骨の成長に合わせて不正歯列の原因となっている奥歯を動かすことによって歯列全体を理想的な位置に導いていき、自然で美しい歯並びを取り戻す治療方法なのです。
非抜歯矯正では改善できない歯並びもある!?
親知らずを除いて全部で28本ある永久歯は、大きく「切歯」「犬歯」「臼歯」に分けられ、食べものを噛んだり、すりつぶしたり、発音を助けたりと、それぞれが重要な役割を担っています。言うまでもないことですが、一度失ってしまった永久歯は二度と生えてくることはありません。
そう聞くと誰でも、「非抜歯矯正のほうがいい」という判断をすると思いますが、残念ながら、すべての症例で非抜歯矯正が適用できるわけではありません。抜歯をしたほうがより理想的な歯並びにできるケースもありますし、抜歯をしなければ矯正が難しい症例もあるのです。
新宿スワン歯科・矯正歯科 院長より
スワン歯科・矯正歯科では、歯を抜かずに歯並びを整えられる可能性があるなら安易に抜歯すべきではないと考えており、小児矯正においても非抜歯矯正を第一に検討しています。お子さんにとって最適な方法をご提案し、最終的にはご本人はもちろん、親御様にもご納得いただいたうえで判断していただきたいと考えています。
「抜いた場合」と「抜かない場合」のシミュレーションができる!?
抜歯したほうがいいのか?非抜歯矯正にすべきか?――この判断基準として活用できるのが、「クリンチェック」というシミュレーションです。これは、インビザライン(※)というマウスピース矯正で、矯正治療中の歯の動きや、治療後の歯並びを3D・動画で事前に確認できるシステム。矯正治療をはじめる前に、抜歯した場合の仕上がり予測と、非抜歯の場合の仕上がり予測を確認することができます。お子さんの矯正治療でお悩みの方は一度、クリンチェックを勧めてみてはいかがでしょうか?
>> 未来の歯並びが見える?~インビザラインのクリンチェック~
※ 乳歯が完全に生え替わっていない10代を対象とした「インビザライン・ティーン」もございます。