自費治療であるインプラント治療は、歯科医院によって費用に大幅な差があります。
今回は、インプラント費用の内訳を交えながら、費用に差が生まれる理由を解説していきたいと思います。
インプラント治療費の内訳
シンプルに言うと、インプラントの治療費は「技術料」+「材料費」で成り立っています。
技術料
外科手術の技術はもちろん、治療前の検査・準備から、治療後のケアに至るまでの治療設計に要する費用です。
例えば、高度な設備機器を導入し、治療器具の徹底した滅菌や精密な検査・設計を行っている医院はやはり、
技術料も高くなります。
材料費
その医院が採用しているインプラントそのものの費用です。インプラントは基本的に、フィクスチャー(人工歯根)、アバットメント(連結部分)、上部構造(人工歯)で成り立っており、その合計料金になります。
生まれては消え、消えては生まれるインプラントメーカー
現在、インプラントは国内外に数え切れないほどのメーカーがあります。
半世紀に及ぶ歴史を持つメーカーがある一方で、今日生まれては明日消えるようなメーカーも多数存在します。
多額の研究開発費を投入して長期のエビデンスを取っているメーカーは材料費も比較的高く、
新たに参入したコピーメーカーなどは比較的低価格になる傾向があります。
では、数あるインプラントメーカーのなかでどこを選べばいいのでしょうか?
――費用以外のところに目を向けると、以下の3点が重要になってきます。
01 メーカーのシェア
例えば、あなたがAppleのパソコンを銀座のApple Storeで購入したとします。後日故障してしまったら、銀座のApple Storeに修理を依頼すると思います。
もし、そのとき銀座のApple Storeがなくなっていたら、他のApple Storeや家電量販店に行くでしょう。
Apple製品を取り扱っている店舗が多ければ多いほど、修理が必要になった場合も簡単に探すことができます。
インプラントも同様で、将来トラブルが起きるリスクを想定して、シェアの高さ(取扱医院の多さ)をひとつの基準にして選ぶことが重要です。インプラントはメーカーによって規格やパーツが異なり、基本的に他社製品と組み合わせて使うことはできません。そのため、シェアが低いメーカーを選ぶと、同じメーカーを使っている歯科医院を探すのが難しくなり、不具合に対応できないケースも出てくるのです。
02 メーカーの永続性
あなたが購入したAppleのパソコンが壊れて修理しようと思ったとき、
Apple自体が倒産してなくなっていたらどうしますか?
東芝やパナソニックに持ち込んでも直るかどうか分かりません。
故障の原因が部品だったとしても、その部品の生産が終了していたら直すことができませんよね。
インプラントも同様で、将来、不具合があったときに困らないようにするには、
長い歴史があり、安定してパーツ供給を行っており、将来的にも永続性があるメーカーを選択したほうが安心です。
実績の少ない新興メーカーは5年後・10年後に存在しているとは言い切れません。
もし、メーカーがなくなってしまうと、不具合が起きたときのリカバリーが非常に難しくなってしまいます。
03 保証
パソコンなどと同様に、インプラント治療にも「保証」という概念があり、
保証の有無や条件・期間などは、インプラントのメーカーやクリニックごとに異なります。
インプラントを長く安心して使っていきたいなら、充実した保証が付いているインプラント・医院のほうが安心です。
保証がないと(保証期間が短いと)、不具合が生じて再治療が必要になったときに高額な治療費が必要になります。
保証がないために、高額な再治療費を払うことになると、結局トータルで高くついてしまうのです。
インプラントを選ぶ際は、上記の3点をぜひ押さえておきましょう。