「高い」「安い」は本質じゃない?保険と自費の違い

歯科コラム COLUMN

歯の治療には、「保険診療」と「自費診療」の2種類があることをご存じでしょうか? 治療・処置にかかるお金の面だけで語られることも多い保険診療と自費診療ですが、それは本質ではありません。

今回は、スワン歯科に寄せられるご質問の中でも特に多い、「保険診療と自費診療の違い」についてご説明します。

保険診療と自費診療の概要

保険診療とは? 自費診療とは?
「誰でも・いつでも・どこでも」適切な治療を受けられるよう、厚生労働省が定めた保険制度に準じて行われる診療。「最低限の機能回復」を目的にしており、診療費の負担が一部免除される一方で、治療内容や治療方法、使用する薬や技工物の素材などには制限がある。 厚生労働省が定めた保険制度に準じて行われない診療。「最低限の機能回復」を超える目的で行われる治療・処置は自費診療となる。素材や作製方法に制限がないため、より高度な快適性・機能性・審美性を追求できるが、治療費は全額自己負担となる。
■メリット
・費用の自己負担が少なくて済む
・全国どの歯科医院でも治療費が変わらない
■メリット
・見た目の良さや噛み心地の良さなどを高いレベルで実現できる
・素材や治療法などの制限がない

「保険」と「自費」の2つの違い

01 素材

虫歯の治療を行う際、保険診療では詰め物や被せ物にレジン(歯科用プラスチック)や銀歯と呼ばれる金銀パラジウム合金、銀合金を使用します。一方、自費診療ではセラミック、チタン、ゴールドといった素材を使用できます。自費診療の主な素材は以下のとおりです。

セラミック(オールセラミック) チタン ゴールド
「陶材」とも言われる非金属素材で、天然歯に似た白さを再現できます。見た目が美しく、長期的に見ても摩耗や変色の心配があまりありません。患者様の歯や歯ぐき、唇などの色に合わせて、より自然に仕上げられます。 人工関節などにも使用されており、人体に異物と認識されないことから金属の中でももっとも安全とされる素材です。金属アレルギーのリスクがほとんどなく、歯科ではインプラントや入れ歯などに使用されます。 天然歯に近い適度な硬さの金属素材で、噛み合う歯を傷つけないのが特長です。歯質との適合性に優れているため、歯との境目からの2次カリエス(虫歯の再発)を招くリスクを抑えられます。目立ちますが、噛む力の強い奥歯に最適です。
02 治療法

例えば、失ってしまった歯を回復させる補綴治療のうち、保険診療ではインプラント治療を受けることができません。また、重度の歯周病で溶かされてしまった顎の骨を回復させるための再生治療も保険適用外となります。入れ歯の作製では、型採りの段階から保険と自費で方法が異なる場合もあります。保険診療の場合、素材だけでなく治療法にも様々な制限があるのです。

新宿スワン歯科・矯正歯科 院長より

保険診療と自費診療を比べると、どうしても「保険診療は悪い(安い)」とか、「自費診療は良い(高い)」といった見方をされてしまいますが、皆様が何を求めるのかによってベストな選択は変わってきます。「歯科治療に何を求めるのか?」をしっかり考え、自分に合った方法を選んでくださいね。