タバコがお口の健康を破壊する!?

歯科コラム COLUMN

タバコがお口の健康を破壊する!?

タバコのリスクとして、もっとも知られているのは肺ガンかもしれませんが、歯やお口に及ぼす悪影響も無視することはできません。今回は、「タバコの悪影響として、関連がありそうなのは?」というアンケートを実施してみました。結果は右のグラフのとおり。「口臭」「歯の変色」と答えた人が多く、8割以上を占めました。実際に、タバコがもたらすリスクについて解説していきましょう。

タバコがもたらす悪影響

タバコの煙には4,000以上もの化学物質が含まれており、そのなかには、発がん性物質もたくさんあります。その煙が口の粘膜から吸収されるため、肺ガンだけでなく、口腔ガンや咽頭ガンのリスクも高まります。歯やお口にフォーカスしてみると、主な影響としては以下のような症状が挙げられます。

歯や歯茎が着色・変色する!

タバコを吸う習慣があると、ヤニが歯にこびり付いて歯が黄ばんでいきます。この黄ばみは歯磨きで落とすのが難しく、どんどん蓄積していくので厄介です。また、タバコは歯だけでなく歯茎の変色も招きます。タバコを吸うと、有害物質から歯茎を守るためにメラニン色素が生成されますが、これが歯茎に沈着することで歯茎の色が黒ずんでいくのです。以下は、アンケート回答者のコメント。喫煙者の方にとっては厳しい意見が多いですね。

  • ・喫煙する人は歯が黄ばんでいるイメージがある(30代/男性)
  • ・タバコを吸う友達は歯が全体的に茶色っぽい(20代/女性)
  • ・タバコを吸う人は、歯だけではなく歯茎も黒ずんでいる気がする(40代/女性)

口臭がきつくなる!

タバコに含まれるタールやニコチンは、口臭をきつくする原因になります。喫煙者の方は自身の口臭なので気付きにくいのですが、タバコを吸わない人にとって、そのニオイは非常に不快なもの。実際にアンケートの回答者からも、喫煙者の方にとって耳の痛いコメントが集まっています。

  • ・タバコを吸っている人は、少し会話すると大体分かる(20代/女性)
  • ・煙のニオイだけでなく、口からもタバコ特有のニオイを感じる(40代/女性)
  • ・喫煙者で口臭がない人はいない気がする(20代/男性)

歯周病を発症・進行させる!

アンケートで「歯周病」と答えた人はわずか2%でしたが、タバコが歯周病を発症・進行させることは明らかな事実です。喫煙者は非喫煙者に比べて2~6倍、歯周病にかかりやすいというデータも。タバコを吸うと血流が悪くなり、全身の免疫力が低下するため、歯周病にかかりやすくなります。すでに歯周病にかかっている人は進行しやすく、治療を受けても効果が現れにくくなります。

実は虫歯にもなりやすい!

アンケートで「虫歯」と答えた人は一人もいませんでしたが、タバコを吸うと実は虫歯にもなりやすくなるのです。喫煙者は非喫煙者に比べて約3倍、虫歯にかかりやすいというデータも。大きな理由としては、喫煙により唾液の量が減少することが挙げられます。タバコを吸うと自律神経の働きによって唾液が分泌されにくくなり、唾液の量が減ると口腔内の細菌を洗い流す自浄作用が低下します。その結果、虫歯の原因である歯垢が溜まりやすくなってしまうのです。

グラントウキョウスワン歯科・矯正歯科 院長より

喫煙による歯の着色や口臭は、周囲からの印象に大きく影響してしまいます。また、自身の健康だけでなく受動喫煙によって家族の健康をも脅かす可能性があります。今回のコラムを読んで、少しでも「タバコ、やめようかな・・・」と思ったなら、早いに越したことはありません。ぜひ、今日からでも禁煙にチャレンジしてみてくださいね。

次回の歯科コラムは、9月21日(水)の公開を予定しております。ぜひ、お楽しみに。