歯は真っ白で、歯茎も健康的なピンク色。歯並びがキレイで、虫歯にも歯周病にもかかったことがない。――このように、歯やお口に何の悩みも抱えていない人はいるのでしょうか? そこで今回は、100人の方に「最近、お口まわりで異変を感じることはありますか?」というアンケートをとってみました。
結果は右のグラフのとおり。「特に異変は感じない」という方が約2割いましたが、その他の方は、何らかのトラブルを抱えていることが分かりました。今回は、歯がしみる原因になる知覚過敏を中心に、それぞれの異変の原因についてご説明していきましょう。
歯が黄ばむのはなぜ?
・黄ばみが気になるので、ホワイトニングをしようかと思っている。(30代/男性)
・きちんと歯を磨いているけど、昔のような白さには戻らない。(40代/女性)
アンケートでもっとも多かったのは、「歯が黄ばんできた」という回答。私たちの歯は加齢によっても黄ばみますし、色の濃い飲食物や喫煙などによっても黄ばみます。黄ばんだ歯を白くする方法としてはホワイトニングが一般的ですが、近年ではセラミック治療を受ける方も増えていますね。
ドラッグストアなどでは歯の黄ばみを落とすオーラルケア用品も販売されていますが、セルフケアには限界があります。確実に白い歯を手に入れたいなら、歯科医院で適切な処置を受けたほうが良いでしょう。
歯がしみるのはなぜ?
・冷たい物を食べると歯がしみる。アイスは絶対食べられない。(30代/女性)
・冷たい飲み物はもちろん、温かい飲み物を飲んでもしみるときがある。(40代/女性)
2番目に多かったのが、「歯がしみる」と答えた人。約4人に1人の割合でした。歯がしみる主な原因としては虫歯が挙げられますが、知覚過敏の可能性も否定はできません。
知覚過敏とは?
知覚過敏は、冷たい物を食べたり飲んだりしたとき、歯を磨いているとき、歯に風が当たったときなどに、歯が「キーン」としみる症状のこと。多くの場合、歯の表面のエナメル質が削れることで起こります。エナメル質が削れるとその内側にある象牙質が露出します。露出した象牙質に刺激が加わると歯の神経を通って脳に刺激が伝わり、「キーン」としみる症状が現れるのです。では、なぜエナメル質が削れるのか?象牙質が露出するのか?――主な原因は以下のとおりです。
・歯磨き
⇒ 研磨剤入りの歯磨き粉を使って強い力でブラッシングすると、徐々にエナメル質が削れていきます。
・歯ぎしり
⇒ 歯ぎしりのクセがあると、エナメル質が削れていきます。
・噛み合わせ
⇒ 噛み合わせが悪いと、一部の歯だけに大きな力が加わり、エナメル質が傷付きやすくなります。
・飲食物の酸
⇒ 飲食物に含まれる酸が、徐々にエナメル質を溶かしていく可能性があります。
・歯周病
⇒ 歯周病によって歯茎が痩せると、象牙質が露出して知覚過敏の症状が出やすくなります。
歯磨きで血が出るのはなぜ?歯茎が痩せるのはなぜ?
・硬めの歯ブラシを使っているせいか、すぐに血が出てしまう。(10代/女性)
・歯茎が下がって歯が伸びてきてしまっている。(40代/女性)(40代/女性)
歯磨きで血が出る方や歯茎が痩せている方は、歯磨きの力が強すぎたり、歯磨きの方法が間違っていたりするケースがあります。もし、そうでなければ歯周病を疑わなければいけません。ブラッシング時の出血は歯周病の代表的な症状です。また、歯茎は加齢によっても痩せてきますが、歯周病が進行することでも痩せてきます。
新宿スワン歯科・矯正歯科 院長より
知覚過敏は非常にデリケートな病気です。患者様に「しみる」という自覚症状があっても、口腔内に原因が見当たらないケースもあります。だからといって、「気のせいだろう」と考えて放置していると、ある日突然、症状がひどくなることも・・・。しみる症状を感じたら、「すぐ治るだろう」「気のせいだろう」と考えず、まずは歯医者さんに相談してみるのが改善への近道になるはずです。
次回の歯科コラムは、2月22日(月)の公開を予定しております。ぜひお楽しみに。